
お正月が過ぎると家族団らんで毎年食べるのが「七草粥」じゃないでしょうか?

最近は食べなくなってきたけど、友達の家族は毎年食べてるって言ってたよ♪
毎年スーパーやコンビニでも七草粥は買えますし、amazonや楽天やYahooでも七草粥を買える時代になりました。
フリーズドライという調理法が生み出されてから、日本全国そして海外でも日本の「春の七草」を使った七草粥を食べることが出来るようになりました。
しかし、疑問に思ったことはないでしょうか?
そもそも、日本の北から南まで温暖差が全然違います。
先日、九州に旅行に行ってきたのよくわかります。
そんな温暖差がある日本で、昔の方は春の七草を手に入れた七草粥を全国誰もが食べていたのでしょうか?
春の七草と呼ばれた七草粥の所見は1362年
日本では昔から七種類の薬草を食べる文化がありました。
『延喜式』には、餅がゆ(望がゆ)という名称で
米・粟・黍(きび)・稗(ひえ)・みの・胡麻(ごま)・小豆(あずき)の七種の穀物を食べていました。
現在の七種類は、1362年頃に書かれた『河海抄(かかいしょう)』(四辻善成による『源氏物語』の注釈書)の
「芹(せり)、なづな、御行(ごぎょう)、はくべら、仏座(ほとけのざ)、すずな、すずしろ、これぞ七種」
これが所見とされています。
【徹底解説】七草粥の歌3選!歌詞の覚え方【子供と暗記しよう】>>

でも、昔の時代にGoogleやYahooはないし、スマホ検索もできなかったのだから、「地域差」が存在していたんじゃないかな?と思いました。
七草粥には地域差が存在した。冬の地方は素材が手に入らない。
春の七草を調べてみましたが、栄養素も高く滋養強壮、病気にも効果があり、1/7に無病息災を祈って食された理由もよくわかります。
七草粥の由来とは?保育園から帰ってきた子供に教える父親テク>>
しかし、そもそもこの七種は薬草です。
品種改良も考えられない平安時代に寒い地方で採れていたのでしょうか?
光孝天皇(こうこうてんのう)は830~887までの生涯の間に、このような恋の詩を歌って、七草を採りに行ってますけどねw
「君がため春の野に出でて 若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ」
大好きなあなたにさしあげるため、春の野原に出かけて若菜を摘んでいる私の着物の袖に、雪がしきりに降ってきました。
調べてみましたが、やはりビニールハウスで食物を育てるわけにもいかないので手に入らない食材を抜いた食材で地域別に七草粥(?)を作っていることがわかりました。

簡単ではありますが、一覧を作成しました。
七草粥ではない地域の一覧
地域差 | 名称(ひらがな表記) | 概要 |
北海道松前郡松前町 | あずきもち | 焼き餅入りの粒あん汁粉 |
北海道苫前郡羽幌町焼尻島 | ななくさがゆ | 大根、ごぼうなど有りあわせの野菜を入れた粥 |
青森県弘前市 | けのしる | けの汁。根菜や大豆製品を炊きこんだ精進料理 |
岩手県西磐井郡平泉町 | けえのしる | 根菜と大豆製品を煮込んで味噌味をつけたけの汁に、餅入りの小豆粥を添える |
岩手県下閉伊郡宮古市重茂 | ぞうに | 元日と同じく、澄まし仕立ての雑煮にクルミを擦って作ったタレをつけて食す |
秋田県男鹿市北浦 | きゃのこ | 青森県の「けの汁」と同じだが、じんだ(大豆粉の団子)を加える。 |
秋田県大仙市 | ななくさぞうに | 鶏ガラや兎肉で出汁を取った澄まし汁に7種類の具と焼き餅を入れた雑煮 |
山形県長井市成田 | おにあい | 7種類の材料を煮込んだ煮しめ |
茨城県稲敷市 | なめし | 菜飯。青菜を炊きこんだ飯 |
栃木県日光市 | まぜめし | 7種類の具入り混ぜ飯。 |
埼玉県秩父市 | あずきがゆ | 小豆粥 |
石川県白山市坊丸 | ぜんざい | 鏡餅をぜんざいにして食べる。 |
静岡県賀茂郡松崎町雲見 | あずきじるこ | 餅なしの汁粉 |
愛知県知多郡南知多町 | おはしらがゆ | お柱粥。餅を入れた小豆粥 |
兵庫県宍粟市千種町西河内 | ななくさぞうしい | 七草雑炊。餅と野菜を入れた、醤油味の雑炊 |
兵庫県城崎郡香美町香住区境 | なのかがゆ | 丸もち入りの小豆粥 |
岡山県笠岡市 | なぬかびぞうしい | 七日日雑炊。挽き割りの裸麦の粥に7種類の野菜を入れる。 |
香川県東かがわ市坂元 | しらあえ | 神前に供えたホウレンソウを白和えにする。 |
徳島県那賀郡那賀町木頭助 | おみいさん | 杓子菜や大根を入れた味噌味雑炊。神仏に供えるので、煮干しなど出汁は使わない。 |
愛媛県上浮穴郡久万高原町直瀬 | ふくわかし | 福沸かし。七草と小餅入りの雑炊 |
長崎県対馬市厳原町阿連 | おーのれ | 鏡餅を下しておーのれ(雑煮)を作る。 |
宮崎県都城市 | なんかんずし | 七日の雑炊。 7種類の素材を入れる。 |
鹿児島県薩摩川内市入来 | ななとこいのずし | 七所の雑炊。野菜や鶏肉を炊きこんだ醤油味の雑炊 |
沖縄県糸満市 | たーんむにー | 煮たたーんむ(タイモ)を砂糖で練ったもの。ナンカヌスク(七日節句)には、他にダイコンや豚肉の煮つけを作る。 |
沖縄県沖縄市登川 | じゅーしー | 7日をナンカンシークイ(七日節句)と呼び、 正月に仏前に供えた米を炊き、野菜類を加えた雑炊を炊く。 |
沖縄県瀬底島 | ぴらめーるーしー | 大麦の雑炊。豚肉の出汁で大麦と野菜を煮て、麦味噌で味付け。薬味にニンニクの葉を散らせる。 |
沖縄県宮古島 | ななたてじゅし | 7種類の具の雑炊。冬至にも同じものを作る。 |

沖縄地方はもう言語が違いますねw

驚いたのは、どの地域も食べるのは1/7なんですよね。

平安時代から続いた文化が広く浸透していたのがわかりました。
さいごに
お正月はお酒を飲んだり食べたりと胃を疲れさせてしまいます。
それを癒してくれる七草粥。
しかし、地域によっては食材が手に入らないので他の地域ではどういう料理を作っているんだろうという疑問から記事を書きました。
春のときたので、次は「秋の」七草を調べようと思っております♪
【七草粥ネタ】『春の七草』と『秋の七草』について解説してみた>>

七草粥の記事は他にも書いておりますので、良かったらお読み下さい♪
>>お正月に『七草粥』を食べる理由と子供に教えるべきネタ4選!